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2018.12.25「劇団員退団のお知らせ」
この度、2018年12月25日を持ちまして、
第1回公演後より劇団員としてヒノカサの虜を支えておりました寺田結美が退団いたします。
退団後も寺田は役者活動を続けて参ります。劇団共々これからもよろしくお願い致します。
以下、寺田結美と主宰の函波窓からのコメントです。
【寺田結美】
この度、私、寺田結美はヒノカサの虜を離れ
一人の役者として新たにスタートすることを決心致しました。
ヒノカサの虜を応援してくださっている皆様、ヒノカサに関わってくださった皆様、
そして何より劇団員の皆様、今まで本当にありがとうございました。
突然のご報告になってしまい申し訳ございません。
自分の思っていることを言葉にするのがどうも苦手なのですが…
拙い文章になってしまうことお許しください。頑張って書きます。
私は劇団の立ち上げからお世話になっていまして。
過去のことを語り始めると止まらなくなると思うのでサラッと触れることにします。
5年という、長いようで短いような時間ですが、たくさんの公演に関わってきました。
私はとても弱虫で、どの公演も必ず稽古中に一回は泣いてしまうほど気弱で。
けれどいざ千秋楽を迎え公演を終える度に、やって良かったなって毎回思うのです。
こんな達成感が尋常じゃない劇団は他に無いと思います^^;
それくらい、心血を注いでヒノカサの作品は作り上げられているのだと思います。
私は、窓さんの書く作品が本当に好きです。
こんな本を書ける人はいないんじゃ無いかと、この人についていこうと思って
今までがむしゃらにやってきました。
ただ、東京に来て色々な世界を知り、劇団の看板を背負っていく難しさも知りました。
自分自身が劇団に相応しい役者になれてないのではないかと落ち込んでしまう時期がありました。
もっと役者としての自分を成長させる為に、劇団というホームから一人立ちしたい。
それが辞めることになったきっかけです。
決して、劇団員と喧嘩したからとかではないです。
最近劇団員のみんなが私にラップバトルを仕掛けてくる事に
嫌気が差して辞めるわけではありません。決して。とってもポジティブな理由です。
劇団員の皆様には本当にお世話になりました。ありがとうございました。
勝手なお願いで申し訳ないのですが、
私が相応しい役者になれたら、またヒノカサに関わりたいです。
また、一緒にお芝居したいです。どうか、宜しくお願い致します。
これからは私自身もヒノカサファンの一員になって、一緒に劇団を応援していきたいと思っています。
これからもヒノカサの虜は続いていきます。皆様何卒、引き続き応援宜しくお願い致します。
最後になりましたが…応援してくださった皆様、今まで本当にありがとうございました!
ヒノカサの虜と、そして寺田結美を今後とも宜しくお願い致します。
寺田結美
【函波窓】
寺田が辞めるということでですね。えー、五年ですかね。五年。一緒にやってきました。
ヒノカサの旗揚げ公演の後、すぐに劇団員になってくれて、だから一番最初の仲間だったわけですね。
あの長くなるので、先に結論から言うと、寺田結美はすごく良い女優なので、
僕が出会った中でも取り分け良い女優なので、皆様今後ともご贔屓にお願いいたします。ということです。
で、話を戻すと。そもそもなんで寺田を旗揚げに誘ったかなんですが。
僕ら劇団の役者は皆、大阪芸大出身なんです。その芸大の舞台学科の授業の一環で、
二年生が新入生にドッキリをしかけるというものがありまして。
その時に小芝居をするんですね、二年生が。ちなみに僕はその時三年生で、
しかも芸大付属の短大から編入したてというのもあって、
怖いもの見たさでそのドッキリを見に行ってたんです。その中の二年生メンバーに寺田が居ました。
喋った瞬間に「あ、こいつはべらぼうに上手い」と思って、
その授業終わりすぐに、知り合いづてで声をかけたんです。
今度劇団を立ち上げようと思うんですけど出てもらえませんか?と。
たしか二つ返事で「私でよければ」みたいな感じで出てくれることになったんです。
すごい嬉しかったのを覚えています。あんな上手い子とやれるぞ、と。
その時はヒロインをやってもらったんですけど、最終的にものすごく良い芝居をしてくれて、
そこでこの子にはいてもらいたいなと思い、劇団員に誘いました。
そこから五年ですよ。時の流れは早いもんで。
そこから、まあこれは劇団員全員そうなのですが、基本的に僕は色んな役をやらせたくて、
誰も振らないような役を当てたりしてたんです。寺田の性質とは真逆の役とかも。
でもね、彼女はどんな役を当てられても、
時間をかけて時間をかけて稽古の終盤には必ずモノにしてくるんです。どの公演でも必ず。
不器用だから時間はかかりますが、僕が欲しいところに、ちゃんと芝居を持ってきてくれる。
痒いところに必ず手が届く。
これは僕の演出の細かさから言うと、本当に凄いことなんです。
彼女は、その勤勉さで僕の小煩いオーダーを全て攻略してくれる。すごい役者です。
一度、「雪先」という公演をやったときに、僕もとがってたので、
訳のわからない演出をかなり入れてたんですね。その中の一個に、
激しいジャズダンスを躍りながらそれとは関係なく普通のリズムとイントネーションで会話を進めていく、という演出があったんです。僕と劇団員の三島と寺田の三人のシーンだったんですけど。
僕と三島は普通に立って会話をするんです。
寺田だけが躍りながら会話するというなんともドSな時がありまして。
躍りもめちゃくちゃ難しいのをミュージカル学科の子につくってもらったんですが、
それも完璧にこなすんです。寺田ってやつは。躍りながら、音楽のリズムとは関係なく、
ちゃんと会話を成立させてくる。しかも聞こえやすい音域と発声で。あれは本当にすごかった。
そういうことも出来るやつなんですね。
三人芝居をやったり、こっちに来てからは会話劇もやったり、色々色々一緒にやりましたが、
本当に寺田がいたからどれも成立した芝居ばかりでした。本当に楽しかったです。
寺田とやった五年間は財産だと思います。良い女優と巡り会えました。
これからは別の道を行くということで。ただ、また出てもらえたらなあと思っています。
近くは無理かもしれませんが、いつか、また。僕は寺田と最後にやりたい作品があったんですけど、
それが叶わず仕舞いなので、それをいつかやりましょう。
寺田ー、見てるかー、よろしくお願いいたします。
というわけでヒノカサから紅一点、看板女優が抜けることになりました。
これからは役者は男三人で頑張っていきます。何卒よろしくお願いいたします。
そして、寺田結美をどうかどうかこれからもご贔屓に。素晴らしい役者ですので。
自信を持って頑張ってもらいたいと思います。タッパもあるし。
スタイルも良いし、舞台向きの声をしているし、華もあるし。
あんまりだらだら書きすぎてもあれなので、これで終わります。ありがとうございました。
寺田結美とヒノカサの虜をどうぞ来年からもよろしくお願いいたします。では
函波窓